NATS開発のコンセプト


NAT/NAPTによる弊害は多くの場面で感じられるようになって来ました。近年、xDSLなどに代表されるような常時接続・広帯域なインターネットアクセス網が登場し、これらの上で行われるインタラクティブな通信を必要とするアプリケーションが増えてきたためでしょう。特に、インターネット電話はゲームは、今までのWebやメールのようにローカルネットワークから接続しに行くような方法ではなく、場合によってはサーバもしくは相手から直接ローカルネットワークのホストに接続しようするアプリケーションでは顕著にこの弊害を感じることができます。

このような場合、次世代プロトコルと言われる大量のアドレス空間を持つIPv6が有効なことは言うまでもありません。しかし、IPv6は実際に運用され、いくつかのISPでは実際のサービスを開始していますが、まだ実験の域を超えていないというのが実情ではないでしょうか。

しかし、アプリケーションの高度化はとどまるところを知らず、便利なアプリケーションがどんどん出てきます。しかし、NAT/NAPTを利用しているがためにこのようなアプリケーションが「今」利用できないことは非常に残念なことです。

NATSは、「今」あるこの問題を解決することを目的にしています。
時として、NATSの普及はIPv6普及の妨げになるという誤解が生じる場合があります。しかし、実際にはすでに多くのNAT/NAPTルータがネットワーク上に接続され、また利用されていますが、IPアドレスの消費の進行は止まりません。これは、NAT/NAPTはすでにアドレス枯渇を回避するための手段ではなくなっているということを意味しています。
無論、NAT/NAPTが無くなれば潜在的に接続されている多くの端末が顕在化し今より多くのアドレスが必要となることはいうまでもありません。
しかし、現状のインターネットを利用する上でNAT/NAPTを避けて通ることが難しいことを考えると、この「今ある問題」を比較的簡便な技術で回避する事が望まれます。


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