特徴


NATSの最大の特徴は、NATSルータで区切られたネットワーク(以降、ローカルネットワーク)内の端末は、ほとんどの場合NATSに対応していないOS(たとえば、Windowsのような基本ソフト)でも問題なく動作させることができるということです。

これは、NATSで定義されるDNS Query Hook機構によるもので、端末から要求されるDNSによるアドレス解決パケットをNATSルータがフックし、通常のDNS検索と同時にサブアドレス情報を検索することで実現しています。

また、通常NAPTを利用した場合、インターネットからNAPTで区切られたネットワーク(以降、ローカルネットワーク)にアクセスする場合には、Static NAPTといわれるNAPTルータが受信したパケットの転送先ポート番号によって、静的にローカルネットワーク内の端末にパケットを転送することができていました。
しかし、これでは、複数台のWebサーバをローカルネットワーク内に設置した場合には、通常のWebサーバの待機ポートである80番ポートが衝突してしまい、利用に問題が出る可能性があります。

NATSでは、サブアドレスをIPアドレスとは別に定義することによって、同一のポート番号への接続もサブアドレス別に行う事ができるため、ポート番号の衝突が発生しません。

このほか、NATSはアドレス情報の変換プロセスに対して拡張を行っているため、特定のアプリケーションやプロトコルに依存しないため、IPを使った通信全般をサポートできることが特徴と言えるでしょう。


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